ALBUM REVIEWS – GrindHouse

【2022.05.04更新】

文：有島博志

日本が世界に誇るメタルバンド、SURVIVEが、キャリア初のライヴ盤『死の渓谷～LIVE AT DEATH VALLEY』を発売した。ヨーロッパはPest Recordsより、日本はRebel Recordingsからのリリースだ。NEMO(vo,g)が言う。
｢今後、これまで以上にヨーロッパ方面にアピールしていく活動をしたいという想いがあり、その想いを現所属ツアーエージェントに相談したんです。ニューアルバムも出したいけど、今はまだ曲もまとまってないし、かといってこの時期に渡航なんてできないし、参ったな、みたいな。するとエージェントの社長が前にストリーミング・ライヴをやったときの音源ある？って話になり、加えてもともとEPだった音源もプラスしてリリースしたら？とのアイディアをいただき、レーベルも決めてもらい今回リリースに至りました｣
サウンド・クオリティがよく、SURVIVEとしての“特性”が余すところなく体現されてる音源だ。ヘヴィネス、厚み、スピードの“三位一体”的アプローチに曲によって絡むシンフォニックアレンジメントがドラマ性を生み、“存在感”を強烈に主張する。海外を視野に入れて活動してきたことも大きいんだろうか。
｢プレイに緊迫感もあるので、それゆえ無観客ライヴだったとはいえ、物凄いエネルギーに満ちあふれているから気に入ってたこともあり、リリースできてよかったです。海外で培った経験を意図的に反映させてるわけではないんですが、無意識のうちに反映されていると思います。スケール感、世界観がライヴのなかに自然と入っていると思います。繊細かつダイナミックな演奏、緻密に練り上げたサウンド、それが凝縮されてパッケージされています。やはりいろんな土地でツアーを続け、世界的なバンドと“しのぎ”を削ると嫌でも体得しますよね。日本のバンドとは思えないようなライヴサウンドだと自負しています｣

収録曲は以下の通りだ。
01.Degenerate
02.Wrath
03.Fuck Against Authority
04.Obey Your Own Army Corps
05.Rules Of Lies
06.Immortal Warriors
07.Human Misery
08.The Road To hell Is Paved By Goodwill

ボーナストラックとして追加収録されてるEP『THE ROAD TO HELL IS PAVED BY GOODWILL』の表題曲には、VENOM Inc.のトニー・“Demolition Man”・ドーラン(vo,b)がfeat.参加してる。
｢トニーはもうSURVIVEファミリーなんですよ。日本、ヨーロッパと、どこに行っても彼と一緒な時期があってぜひコラボしてみたかった。なので“新曲できたから歌ってよ”ってノリで実現しました。楽しんでやってくれたから、とても嬉しかったです｣

ボートラは下記4曲だ。
1.The Road To Hell Is Paved By Goodwill （feat.Tony “Demolition Man” Dolan / Venom Inc）
2.Rules Of Lies（Orchestra Ver.）
3.Seize The Victory
4.The Road To Hell Is Paved By Goodwill（Live @ Club Citta Metallization Festival 2020）

｢ライヴ盤のセールスポイントは？｣と聞いたところ、こうNEMOから返ってきた。
｢完全なるライヴサウンドで、僕たちのメタルの荒々しさ、凶暴さ、繊細さを封じ込めることに成功しています。純度の高いライヴ盤だと自負しているので、SURVIVEを最近知った人からダイ・ハードファンまで楽しんでもらえると思ってます｣
とても“リアル”なサウンドだ。一聴をお進めしたい。CD購入は下記より。
www.rebel-survive.com

最後にSURVIVEの今後の予定だ。まずは9月開催のMETALLIZATION Ⅲへの出演が控えてる。
｢日本のメタルバンドだけでどこまでやれるか？真の意味でメタルをこの国に根付かせたい、そう願って毎年開催していますので、最強なライヴショーをやりきりたいです。SURVIVEとしては、今年ニューアルバムのリリースを目指して作曲活動を続けてます。ヨーロッパ方面でのリリースも目標にしています。その作曲模様は、毎週SURVIVE YouTubeチャンネルでVlogとして配信しています。ほとんどはGoro(ds)がいかにおかしなことばかりしているかにフォーカスしていますが（笑)。それから、今年からまたライヴ活動も再開します。ステージに立ちたくて飢えてますので、そちらもご期待ください！｣