【2021.05.05更新】
GrindHouse magazineが商業誌時代、かなり初期の頃からコラム群を充実させるべく、アーティストにタトゥーの写真を撮らせてもらい、話を聞く、“落書き美術館”をやってた。2001年2月に実現した『L.D. 50』を引っ提げた初来日時に、MuDvAyNeを取り上げた。
text by Hiro Arishima
translation by Yuriko Banno
coordination by Abe Levine
(2001年5月と6月に観た)UK & USオズフェストでもめちゃくちゃウケてたMUDVAYNE。
で、今回は彼らのタトゥーを。「タトゥーと一口に言ってもいろいろな見方ができる。
タトゥーは人生の折り目となる出来事や儀式などを象徴するものだ。旅立ちであり、なにかの始まりみたいなものでもある。別の見方をすると、この世に永遠なんてものはない。配偶者や子供といった自分にとって大切な存在も簡単に自分の元を去っていくことがある。だけどタトゥーは自分自身の肉体が朽ちるまで離れない。そういう意味じゃ自分のすべてを捧げるという意味合いが強いのと、永久とは言いたくないけどタトゥーの持つ半永久性からくる力がある。つまりタトゥーで表現したことはずっと残る。それはスゴく人に影響を与えるもので、勇気づけてくれるものだと思う」と、タトゥーに関しても相変わらず奥深いことをカッドことチャド・グレイ(vo)が言う。
まずは、スパグことマシュウ・マクドノウ(ds)の後頭部の架空鳥類が大きく翼を拡げたようなタトゥー。コレ、うっすらと入れられていて、実物はもっと美しい。スパグいわく「自分が憧れる、自分がなりたいと思うもの、または自分のなかにいる別の自分を象徴している」とのこと。次もスパグで、下半身に全面的に入れられたもの。この写真を撮るために、彼はわざわざアンダーウェアまで脱いでくれた(脱ぐ直前に「オイ誰か、タオル持ってきてくれー!」って大騒ぎしてたけど:笑)。「このタトゥーは自分の内面にあるものにスゴく近くて、自分の外面にもそれを入れたいと思った」と本人。で、最後にライノウことライアン・マルティニー(b)の正面と背中。特に背中のタトゥーが綺麗で、なにやら宗教のシンボルのようにも見える。それを物語るように、「このタトゥーはある意味、マントラあるいは自分の最終目標を主張してる」とのこと。なお、初映像作品『DIG』でも彼らはタトゥーの話をしてる。必見!
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