万歳シングル盤!第1回

【2021.06.30更新】

文・有島博志

メタルにせよ、パンクロックにせよ、グランジにせよ、なんにせよ、ロックリスナーのほとんどがアルバム嗜好だと思う。
自分もそのひとりだけど、と同時にシングル盤を手にし、購入し、聴くことも多い。ジャケからしてシングル盤のみのものだし、B面収録曲が表題曲のヴァージョン違い、未発表スタジオ/ライヴ音源であることが大半で、それらを眺め、聴くのが大好きだ。そうしてきたことで“新たな発見”もたくさんあった。
第1回目に紹介するのは、ベテラン・スカパンクバンド、LESS THAN JAKEによるSLAYERのカヴァー7インチだ。バンドと同郷のUS南部フロリダ州ゲインズヴィルに居を構えるパンクインディー、no ideaより1996年にリリースされた。

SLAYERの初期バンドロゴに、“LTJ”と被せてるのがいい(笑)。

LTJはメタルの強い影響下にあり、3rdアルバム『HELLO ROCKVIEW』(1998年)には“All My Best Friends Are Metalheads”なんていう曲もある。また、MEGADETHとのスプリット7インチもリリースしてる。よって、LTJがSLAYERのカヴァー7インチを出してもなんら不思議ではないのだ(笑)。
カヴァーしてるのは“Evil Has No Boundaries”と“The Antichrist”の2曲。前者はわりとオリジナルに忠実だけど、後者は途中でギアダウンし、テナーサックスとトロンボーンのラッパ隊がブッハブハ言わせるLTJ風。AB面ともに収録曲は同じだ。で、驚くことにYouTubeにあがってるので聴いてみてほしい。

LESS THAN JAKE/SLAYER 7″

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