ポスター展示館 第11回

【2020.10.26更新】

文・有島博志

THE MAD CAPSULE MARKETSの9th『010』(2001年)の発売告知ポスターだ。弊社を前のビルの一室に置いてたとき、ずっと壁に張ってたものだ。

もちろん、この作品発売から5年ぐらい前からバンドを取材したり、ライヴを観たり、イベントを一緒にやったり、と関係値は築けてた。それでもこの9thは自分に、そしてGrindHouseにとってとてもスペシャルな作品だった。唯一無二のデジタルハードコアは完成の域に達し、完全に突き抜けてた。この9thをもって本格的な世界戦略も始まった。欧米でCDがリリースされ、Ozzfest、KERRANG!fest、Download Festivalなどに出演した。そして、彼らなら絶対にそれまで日本人アーティストの前に立ちはだかり、行く手を阻んでた“高く、ブ厚い壁”に大きな“風穴”を開けてくれると思ってた。そんなこともあり、彼らに9th発売タイミングでGrindHouse magazineの表紙巻頭に初登場してもらった。2001年7月31日発行のVol.7だ。JPバンドが弊誌の表紙巻頭を飾るのはこれが初めてだった。

実は9thが発売される直前、「TAKESHIが取材とは別に聞いてほしい話があるそうなので」と当時のマネージャーから連絡があり、TAKESHIがマネージャーを伴ってわざわざこちらにきてくれたことがあった。そのときの話を踏まえてJPバンドにしては珍しく9thのライナーノーツを執筆させてもらった。とても光栄だし、今もなお誇りに思う。
「ヤツらなら絶対にやってくれる!」とバンドに対する期待感はホントにデカかった。マジで欧米のキッズをあのサウンド、ライヴパフォーマンスでブチのめしてくれる、と真剣に思ってた。よって次作で10th『CiSTm KONFLiqT…』(2004年)の発売タイミングで、再度GrindHouse magazineの表紙巻頭に登場してもらった。2004年3月31日発行のVol.23だ。

それから少ししてバンドはSony Music Recordsへの移籍をアナウンス。当時のレーベル担当者からは移籍第1弾シングルの発売予定日を伝えられてたけど、まさに寝耳に水だ、次に報じられたのはなんとバンドの活動休止だった。2006年4月のことだ。活動休止状態に突入してから早くも14年半以上もの月日が流れてる…。

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