【2020.06.15更新】
文・有島博志
ポスター展示館”第2回はFOO FIGHTERS。デビュー作『FOO FIGHTERS』がこの世に産み落とされてから今年で早25年、四半世紀もの長い歳月が経つ。ご存知の通り、本作はFOO FIGHTERS名義の音源、作品ながら、制作はヴォーカル、ギター、ベース、ドラムパートのほぼすべてをデイヴ・グロールひとりでやった“事実上のソロアルバム”だった。”X-Static”のみに当時オルタナティヴロックバンド、THE AFGHAN WHIGSで、後にソロへと転身するグレッグ・デュリが参加してる。荒削りでザラッザラした触感の音像だけど立ったメロディ、秀逸な楽曲の響きとほどよくブレンドしてる。これからFOO FIGHTERSで新しいスタートを切るぞ!的なエネルギーも感じられる。収録曲のなかでは”This Is a Call” 、”I’ll Stick Around”、”Big Me”、“Alone + Easy Target” 、”Good Grief”、“Weenie Beenie” 、”Wattershed”、 “Exhausted”などが特に好きだ。”This Is a Call” 、”I’ll Stick Around”の冒頭2曲の流れはスリリングで、今聴いてもテンションが上がる。デイヴはもともとパンクロック、ハードコア、メタルの強い影響下にあり、「徹底してラウドに、そしてハードに!」が音楽的モットーだ。それは今も微動だにしない。
ジャケにはアンティークのバックロジャースXZ-38崩壊剤ピストルが描かれてる。しかし、本作のテーマというか背景はそれとは異なる。未確認飛行物体UFOだ。1947年、US南西部ニューメキシコ州ロズウェル近郊で、墜落したUFOを米軍が回収した、と言われてる事案。いわゆるロズウェル事件だ。その真偽のほどはさておき、UFO、そしてロズウェルの名が使われ、あちこちに明確に反映されてた。特にフーファイキャリア初期はそうだった。毎作メジャーレーベルが世界的流通を担うも、バンドの作品を発売するレーベル名はあくまでもRoswell Recordsであり、『FOO FIGHTERS』発売に際し、USのCDショップなどの店内に掲出されたポスターも下記左側のだ。右側のポスターも同様。右側のはデザインが好きで、数年前まで社内の壁に貼ってた。
また、Tシャツもある。さらに『FOO FIGHTERS』からの1stミュージックビデオ”I’ll Stick Around”にはUFOじゃないけど謎の物体が浮遊するシーンが幾度となく出てくる。
https://youtu.be/X_rTTsZZ9KE
これまでに何度もデイヴを取材してきた。だけどUFOやロズウェルについて訊いた記憶はない。次に取材する機会があったら訊いてみようと思う。「今さらなんなんだけどさあ」と前置きしてから(笑)。
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