HIRO ARISHIMA/GRINDHOUSE@SPOTIFY

【2020.07.20更新】

Hiro Arishima/GrindHouse@Spotify

第5回 チェスター・ベニントン/LINKIN PARK 追悼!

7月20日はチェスター・ベニントン/LINKIN PARKの3回忌。彼を追悼するプレイリストだ。彼のヴォーカルにポイントを置きつつLINKIN PARKをはじめ、DEAD BY SUNRISE、GREY DAZE、さらには他アーティストの音源にfeaturing参加した楽曲まで広く選曲した。ただ、残念なのはSTONE TEMPLE PILOTSとの唯一の作品が今は未配信ということだ。

1.“Wake”
「1stと2ndでリンキン・パークの音楽的第1章を締めくくった。3rdで新たな音楽的ステップに踏み出したんだ」とマイク・シノダは当時語ってた。その『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)の幕開けを告げるインストチューン。ライヴ時のオープニングSEにもなり得そうな荘厳さだ。


2.“Don’t Stay”
2nd『METEORA』(2003年)の“Foreword”に続いて切り込んでくる攻めっ攻めのヘヴィチューン。ジョー・ハーンの“こすり度”高しなスクラッチワークが“攻めっ攻め感”をブーストしてる。

3.“With You”
1st『HYBRID THEORY』(2000年)収録曲。同作発売に伴うUSツアーの最初の頃はこの曲が1曲目に披露されることが多かった。まさにノリノリアゲアゲチューンだ。

4.“The Catalyst”

聴く人によっては衝撃の問題作となった4th『A THOUSAND SUNS』(2010年)からの1stシングル曲。新作からの1stシングル曲は大抵作品の曲順において前半に置かれるものだけど、この曲はクロージング近くの14曲目に配されてる。ラジオ社会のアメリカにおいてシングル曲だけじゃなく作品全体を聴いてほしい、というバンドの意向の表れだった。4th収録曲のなかではアッパーなナンバーだ。

5.“Lost In The Echo”
5th『LIVING THINGS』(2012年)は一転、4thとは音楽的方向性が明らかに変わり、シンプルで、かつバンドがそれまでに受けてきたさまざまな音楽的影響を改めて、また以前とは異なるアングルで表現した、再度の進化作。ややエレクトロ寄りでもある。この曲は2ndシングル曲であり、MVも作られたけど、バンドが一切登場しないリンキン史上初の作風となった。

6.“Guilty All The Same(feat. RAKIM)
6th『THE HUNTING PARTY』(2014年)からの曲。ラッパーのRAKIMがヴォーカル、曲作りで参加してる。3rd以降明らかにブラッド・デルソンのギターは後退してたけど、再度前面に出、これまでにないタイプのギターリフ、曲調が目立つ。

7.SANTANA/“Riders On The Storm”
ラテンロック界の大御所、カルロス・サンタナのリーダーバンド、SANTANAのカヴァーコンピ『GUITAR HEAVEN:THE GREATEST GUITAR CLASSICS OF ALL TIME』(2010年)収録のTHE DOORSのカヴァー。チェスター・ベニントンと、THE DOORSのレイ・マンザレク(key)がfeaturing参加してる。チェスターがオリジナルシンガーの故ジム・モリソンの感じをうまく掴み、リンキンでは絶対聴けない力を抜いた歌声が楽しめる。カルロスのソロワークもさすがだ。

8.“Blackout”
4th収録曲。自分が思うにこの曲はある種のハードコア。チェスターの全身全霊をかけたような熱唱が気持ちいい。

9.“War”
6th収録曲。本作はある意味バンドの“原点回帰作”なのだけど、この曲はそれをもっとも物語る1曲。もろ80’s USハードコアパンクチューン。ブラッドのソロがフィーチャーされてるけど、ワウペダルをかましたそれは、リンキン史上初だ。

10.“Cross Off”
LAMB OF GODのツインギターチームのひとり、マーク・モートン初のソロ作『ANESTHETIC』(2019年)からの曲。チェスター生前最後のfeaturing参加曲だ。リンキンのそれとは全然違うヘヴィネスを、チェスターは見事に歌い切りつつ引っ張ってる。

11.“In The End”
1stからの4thシングル曲で、全米最高位2位をマークするなど大ヒットした。リンキン特有の物悲しさのなかでマイクのラップと、チェスターのエモーショナルなヴォーカルがシンクロするさまには思わず感極まる。

12.“Iridescent”
映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のエンディングテーマに抜擢された4thシングル曲。メロウな曲だけど、後半ビッグなコーラスが被り、一気にドラマチックな展開になるところはすばらしいの一言につきる。

13.“Heavy(feat. Kiiara)”
4th第一聴時もさすがに「ぇ?」となったけど、“衝撃度”という意味ではこの7thの方が断然上だった。単純に音楽性が変わったとかではなく、それまでとは完全に別アングルで自身の音楽を見て、まったく違う世界にいき始めた、という“衝撃度”だ。この曲はその最たる例だ。
まさかチェスターが女性シンガーとデュエットするとは思わなかった。

14.“Valentine’s Day”
3rdからの極メロウチューン。チェスターのピンヴォーカルに優しく包み込まれる。次のマイクピンヴォーカル曲“In Between”へとつながっていく流れもいい。

15.“Dirt Off Your Shoulder/Lying From You”
大御所ラッパー、JAYーZとリンキンのマッシュアップ作のド頭を飾る好チューン。全然違う2曲がまったく継ぎ目なく1曲として成立してるのがスゴい。この作品のヒットによりマッシュアップがちょっとしたトレンドになった

16.GREY DAZE/“Soul Song”
チェスターがリンキン加入前に地元アリゾナ州に拠点を置いて活動してたのが、このGREY DAZE。一度解散したもののチェスターの意向で再結成。楽曲は再録され、チェスターのヴォーカルはオリジナルヴァージョンが使われてる。発売されたばかりの再録作『AMENDS』からの、いかにもな“ど”バラード。チェスターの歌声、歌唱法はその後とさして変わらない。

17.“Wretches And Kings”
4th収録曲のなかでもっともヘヴィなラップチューン。冒頭と後半にサンプリングされてるのは、活動家マリオ・サヴィオの1964年のスピーチ。マイクのラッピングヴォーカルと、チェスターのエモーショナルなヴォーカルの掛け合いがサイコーで、後半のジョーによるこすりまくりもめちゃくちゃカッコいい!

18.“Walking Dead”
来日経験もあるDJターンテーブルニスト、ZーTRIPのソロ作『SHIFTING GEARS』(2005年)収録曲。ヒップホップなビート、サウンドメイキングの上でチェスターが歌う。

19.“Not Alone”
2010年1月12日にハイチで大地震が発生し、甚大な被害が出た。そのトリビュート曲で、配信オンリー。チェスターのピンヴォーカルによるミッドロウなテンポなメロウチューン。

20.“The Little Things Give You Away”
3rd収録曲。第一聴時、冒頭部分のフィードバック音が切れた途端、ガツンっ!とくると思ってたら予想に反し、アコギの弾き語りのような展開になり脱力した。この話をマイクにしたら笑われた(笑)。作品の最後を静かに締めるには打ってつけのチューンだ。

21.“Nobody Can Save Me”
7thのオープニング曲。それまでのリンキンになかったキャッチネスに満ちた曲で、意味深な曲タイトル、そして歌詞だ。チェスターのヴォーカルがとにかく心に沁みる。

22.“Victimized”
5th収録曲で、本作のなかではもっとも激しいチューン。1分半強のハードコアだ。チェスターの叫びは破壊力すらある。

23.“One Step Closer”
1st収録曲かつデビューシングル曲。2分半強という短尺曲のなかに日本人好みの要素がギュウ詰めされてる。この曲を最初に聴いたとき、仕事的に「日本で絶対いける」と確信させられた。

24.“Faint”
2ndからの曲で、2ndシングル曲。1stシングル曲“Somewhere I Belong”との併せてのヒットにより、リンキンの世界的人気は確立されたと言っても過言ではない。今聴いてもホントにいい曲だと思う。

25.“A Place For My Head”
1st収録曲。シングル曲にこそならなかったけど、個人的に名曲だと思う。後半の盛り上がりはスゴい!

26.“Given Up”
3rdは“Wake”を経てこのアッパーなチューンで駆る。ブラッドのギターの歪みが抑えられ、前2作では使われてなかった、いわゆるfour letter wordも歌われるようになった。取材時にその理由をチェスターに聞いたら「なぜ使っちゃいけないの?そういう負の感情の曲にはそうした言葉も必要だってことさ」との答えが返ってきた。

27.“My Suffering”
チェスターが2009年に元ORGYのライアン・シャック(g)とアミア・デラク(g)らとやった別バンド、DEAD BY SUNRISE唯一の作品『OUT OF ASHES』からの曲。わりと激しめ、重めのチューン。後に来日公演も行った。

28.“Breaking The Habit”
2ndからの6thシングル曲。1stにはなかった、いわゆる8ビートなアップテンポナンバー。途中までのチェスターの力抜き気味のヴォーカルもいい。

29.“Bleed It Out”
リンキン唯一の”ど”パーティチューン。3rd収録曲。楽しい、ひとえに楽しい曲だ。アガる!

30.“The Requiem”
31.“The Radiance”
4th収録曲2曲をこのプレイリストのクロージングナンバーとして並べた。

有限会社グラインドハウス Copyright (C) GrindHouse Ltd. All Rights Reserved.