HIRO ARISHIMA/GRINDHOUSE@SPOTIFY

【2021.02.15更新】

Hiro Arishima/GrindHouse@Spotify

第7回 NEW YORK HARDCORE SPECIAL

90年代中盤から後半にかけての(ニューヨーク・)ハードコアは本当に熱く、盛り上がってた。そのよき時代を振り返りつつ、ぜひ(改めて)聴いてほしいバンドたちを選び、選曲した。

〈曲目解説〉
01.GORILLA BISCUITS/“New Direction”
80年代後半に起きたストレートエッジ・ハードコアムーヴメントの牽引バンドで、まさに“伝説”。2ndフルアルバム『START TODAY』(1989年)のオープニングチューン。まさになにかが始まることを告げるようなファンファーレだ。

02.YOUTH OF TODAY/“Make A Change”
後にSHELTERなど多くのバンドを輩出することになる、まさに“ニューヨーク・ハードコアの始祖的存在”。1stフルアルバム『BREAK DOWN THE WALLS』(1986年)のオープニングチューン。

03.JUDGE/“Bringin’ It Down”
元YOUTH OF TODAYのマイク・フェラッロ(ds)と、同じく後にSHELTERを結成するジョン・ポーセリー(g)基軸の5人組の2ndフルアルバム『BRINGIN’ IT DOWN』(1989年)のタイトルチューン。

04.WARZONE/“It’s Your Choice”
1980年代中盤、YOUTH OF TODAY、GORILLA BISCUITSらとニューヨークハードコア・シーンを活性化させたバンドの1stフルアルバム『DON’T FORGET THE STRUGGLE, DON’T FORGET THE STREETS』から。リーダーであり、フロントマンのレイモンド・“Raybeez”・バービエリは肝臓の病により35歳の若さで亡くなった。

05.CRUMSUCKERS/“I Am He”
ニューヨーク出身のハードコアとスラッシュメタル間を自由往来する5人組の2ndフルアルバム『BEAST ON MY BACK』(1988年)収録曲。実はかつて日本盤化されてる。
ゲイリー・メスキル(b,vo)は、後にPRO-PAINを結成する。

06.AGNOSTIC FRONT/“One Voice”
ニューヨークハードコア1stジェネレーションバンドのひとつ。メタルの要素を持つのが特徴。4thフルアルバム『ONE VOICE』(1992年)からの滑走チューン。

07.SHELTER/“Better Way”
元YOUTH OF TODAYのレイ・カッポ(vo)とポーセル(g)が中心になって結成された、キャッチーなハードコアバンドの、2ndフルアルバム『ATTAINING THE SUPREME』(1993年)より。

08.LIFE OF AGONY/“River Runs Red”
ハードコアからの音楽的影響も根っこに持つニューヨーク出身の4人組の1stフルアルバム『RIVER RUNS RED』(1993年)。収録曲のなかでもっとも“泣ける曲”だ。

09.H2O/“5 Yr. Plan”
ニューヨークハードコア2ndジェネレーションバンドの代表格。デビュー時から日本で人気が出た。1stフルアルバム『H2O』(1996年)収録曲で、けっこうキャッチーな要素を持つ。

10.CIV/“Can’t Wait One Minute More”
元GORILLA BISCUITSのメンバー3人が中心になって結成された4人組によるメジャーデビュー1stフルアルバム『SET YOUR GOALS』収録のパーティチューン。なぜかこの作品としては未公開だ。

11.SICK OF IT ALL/“Step Down”
90’sニューヨークハードコアの“顔役的存在”と言っても過言じゃないルウ(vo)とピート(g)のコーラー兄弟率いる4人組による通算3枚目で、メジャーデビュー作『SCRATCH THE SURFACE』(1994年)収録のSOIA風パーティチューン。MVには日本人女性がチョイ役で出てる。

12.DOG EAT DOG/“Who’s The King(LIVE)”
元MUCKY PUPなどのメンバーが中心になって結成された、US東海岸ニュージャージー州産バンド。ハードコアを機軸としたクロスオーバーサウンドを信条とする。本当は3rdリリースにあたる1stフルアルバム『ALL BORO KINGS』(1994年)収録版が理想なのだけど、その作品自体が未公開なのでライヴヴァージョンの方を。

13.MADBALL/“Set It Off”
ニューヨークハードコア2ndジェネレーションバンドのひとつ。AGNOSTIC FRONTのロジャー・ミレット(vo)の義理の弟であるフレディ・クリシエン(vo)率いる。1stフルアルバム『SET IT OFF』(1994年)収録の筋金入りの1曲だ。

14.BIOHAZARD/“Shades Of Grey”
SOIAのルウに「ヤツらのアティテュードはニューヨークハードコアのそれじゃない」と言われたニューヨークはブルックリン産のクロスオーバーバンドの“名作”2ndフルアルバム『URBAN DISCIPLINE』(1992年)からの曲。エヴァン・セインフェルド(vo,b)と、ビリー・グラジアディ(vo,g)のヴォーカルのかけ合いも聴き所。

15.CRO-MAGS/“Eyes Of Tomorrow”
ニューヨーク出身のハードコアを基盤としたクロスオーバーバンド。メンバーがコロッコロ代わるイメージがある。3rdフルアルバム『ALPHA OMEGA』(1992年)収録曲で、スクラッチ入りのたたみかけ系アプローチはひとえにカッコいい!

16.ORANGE 9MM/“Magnet”
元BURNのチャカ・マリク(vo)とクリス・トレイナー(g/後にHELMETに加入)を中心に結成された、ハードコアベースのクロスオーバーバンドの1stフルアルバムであり、メジャーデビュー作『DRIVER NOT INCLUDED』(1995年)。これまでにEPを2枚、フルアルバムを3枚を残してるけど、今作がベストだ。

17.SNAPCASE/“Zombie Prescription”
ニューヨーク州バッファロー産の5人組の2ndフルアルバム『PROGRESSION THROUGH UNLEARNING』(1997年)収録曲。とにかくグルーヴが強烈だ。

18.EARTH CRISIS/“Asphyziate”
ニューヨーク州シラキュース出身の、ストレートエッジ、ビーガンを強く主張する5人組。1stフルアルバム『DESTROY THE MACHINES』(1995年)収録の、押っせ押せゴリゴリチューン。

19.STRIFE/“Blistered”
これまではニューヨーク、及びUS東海岸出身のバンドを選曲してきたけど、STRIFEはカリフォルニア州サウザンドオークス産の5人組。2ndフルアルバム『IN THIS DEFIANCE』(1997年)からの曲で、ブレイクダウンパートをガッツリ噛ました好チューン。

20.BETTER THAN A THOUSAND/“Crisis Of Man”
SHELTERのレイと、ストレートエッジバンド、BATTERYのメンバー2人ほかがやってたサイドバンド4人組の2ndフルアルバム『VALUE DRIVEN』(1999年)収録曲。SHELTERよりストレートアヘッドなハードコアだ。

21.SWORN ENEMY/“Sworn Enemy”
1997年にニューヨークのブルックリンで結成された5人組で、作品を重ねるたびにハードコアにメタルテイストが増量されていったのが音楽的特徴だ。3rdリリースで、メジャーデビュー作『AS REAL AS IT GETS』(2003年)のトップを飾るバンドのテーマ曲。
ジャケに出てるタトゥーが入れられた右手の甲の写真は、マイク・ラッフィネロ(g)のだ。

22.VISION OF DISORDER/“Element”
ニューヨーク州ロングアイランドから出てきた5人組の1stフルアルバム『VISION OF DISORDER』(1996年)。Roadrunner Recordsの流通で、SHELTERのレーベル、Supersoulからリリースされた。ハードコアというよりもうほとんどメタルコアだ。

23.SICK OF IT ALL/“No Cure”
先の『SCRATCH THE SURFACE』からもう1曲。攻撃的かつ勢いに満ちたオープニングチューン。カッコいいの一言につきる!

24.HATEBREED/“Empty Promises”
ハードコアとメタルをまたいだ音楽性で完全に人気、知名度を確立したコネチカット州ブリッジポート出身の5人組の1stフルアルバム『SATISFACTION IS THE DEATH OF DESIRE』(1997年)のド頭を飾る曲。ハードコアに必要不可欠な要素のすべてが盛り込まれた好チューンだ。

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