Tシャツ博物館 第19回

【2020.09.23更新】

文・有島博志

かつてSUICIDAL TENDENCIESが大好きだった。キャリア初期から中期の頃が特に。ロサンゼルス郊外のヴェニスビーチから生まれたヒップなストリートカルチャーにはSUICIDAL TENDENCIESをはじめいたく刺激されたものだ。

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4th『CONTROLLED BY HATRED/FEEL LIKE SHIT…DEJA VU』(1989年)のTシャツだ。あまりにも年月が経ちすぎてて、どこで購入したのかまったく記憶にない。ただ、ネットで購入したものじゃないことは確か。当時はまだネットが普及する前だった。とにかくよく着た。フロントのプリントはヒビ割れしてるし、左袖下には穴ポコが開いてるほどだ(笑)。

このワークシャツは上記Tシャツよりずいぶんときが流れてからgetしたもの。当時のJPレコード会社が宣伝用として本国から取り寄せたもので、「ぜひ、着てください!」と提供を受けたものだ。

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続いては、スニーカーブランド、VANSとSUICIDAL TENDENCIESのコラボT。
かつて海外出張を怒濤のように繰り返してたときロサンゼルスを訪れるたびに立ち寄ってたメルローズのストリートカジュアル系アパレルストアで偶然見つけ、衝動買いした。バンドの総帥マイク・ミューア(vo)の顔写真がフロントにドンッとプリントされ、左袖に“SxTロゴ”が入ってる。

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the left sleeve

SUICIDAL TENDENCIESのTシャツで唯一悔いが残るのが、バンドキャリア上、個人的にもっとも好きな5th『LIGHTS…CAMERA…REVOLUTION!』(1990年)のTシャツを持ってないこと。購入チャンスはあったのだけど…。バンドのライヴを初めて観たのは、1990年9月にヨーロッパを巡演したSLAYER、MEGADETHを主軸としたパッケージツアー、Clash Of The Titansで。バーミンガム、ロンドン2公演の観戦だったけど、現場でSLAYERなどの取材があり、かつマーチャン売場が黒山の人だかりだったゆえ時間的かつ気持ち的余裕がなく、パッケージツアーT購入が精一杯だった。
マイク・ミューアの別バンドとして知られ、90年代初頭からSUICIDAL TENDENCIESの活動と並行してやってきたのが、ややファンク色の強いINFECTIOUS GROOVESだ。現METALLICAのロバート・トゥルージロ(b)がかつて在籍してたことでも有名だ。彼らもまた、大好きだった。いつ、どこで購入したのか覚えてないのだけど、1st『THE PLAGUE THAT MAKES YOUR BOOTY MOVE…IT’S THE INFECTIOUS GROOVES』(1991年)と、2nd『SARSIPPIUS’ ARK』(1993年)それぞれのジャケアートをプリントしたTシャツを持ってる。

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なお、マイクはINFECTIOUS GROOVESのキャラ、サーシピアスアークを主軸とした“第3のバンド”を立ち上げ、始動させようとしてた。それが、SARSIPPIUS’ ARKだ。実際、音源制作も終え、完成版がJPレコード会社に届いてた。が、しかし、SARSIPPIUS’ ARKが陽の目を見ることはなかった。音源もおクラ入りとなってしまった。その理由は不明だ。

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