Tシャツ博物館 第24回

【2020.11.10更新】

文・有島博志

覆面極悪デスメタル/グラインドコアバンド、BRUJERIA。バンド名の意味は、スペイン語で魔術。悪魔崇拝主義を掲げながら、スペイン語でデスヴォイスと、激烈音でたたみかけてくるそのさまはあまりに強烈だ。オドロオドロしく、スペイン語ゆえなにを歌ってるのかさっぱりわからないところがさらに怖さを増幅させる。長いことFEAR FACTORYのディーノ・カザレス(g)が主導/先導でやってると勝手に思ってたのだけど、BRUJERIAが初来日したときの対面取材で、それは事実とは異なるということを知った。ディーノは初期3作『MATANDO GUEROS』(日本盤未発売/1993年)、『RAZA ODIADA』(1995年)、『BRUJERIZMO』(2000年)に参加してるけど、その後バンドより離れ、自身のASESINOを始動させた。
以前、取材も兼ねてロサンゼルスにあるディーノん家に遊びにいったことがある。そのときに「持っていけよ!」ともらったTシャツ4種類だ。

手渡されたときタグを見たら“2XL”とあった(笑)。さすがに「ディーノ、サイズがデカすぎるんだけど!」と言ったら大は小を兼ねるだろ、みたいなことを言われ、その会話は終わった(笑)。

これはLサイズなのでよかった(笑)。フロントとバックにメッセージがプリントされてるけど、スペイン語なので意味わからず。

これはスペイン語がわからなくてもわかるプリントだ(笑)。スペイン出身の男性デュオ、Los del Rioの“Macarena(邦題“恋のマカレナ”)のパロディカヴァ-をやり、7インチとCDでシングルリリースしてるので納得だ( https://grindhouse.site/veryrarestuff-part3_brujeria/ 参照)。BRUJERIAのTシャツを一度に3種類ももらったので、バンドはディーノが主導/先導で、という思いを強くしたんだと思う。
そして、最後はASESINOのTシャツ。実にシンプルなデザインだ。

かつてASESINOのライヴを2度観てる。うち一度はハリウッドのクラブ、Key Clubで。場内はお客さんでゴッタ返しててほぼソールドアウト。驚いたのは周りから聞こえてくるのは、スペイン語のみ。「オレが今いるのは、確かハリウッドだよな」と、自分の居場所がどこか、しばし迷う、という経験を初めてした(笑)。ちなみに、ASESINOはディーノ、STATIC-Xのトニー・カンポス(vo, b)、POSSESSEDほかとの活動で知られるエミリオ・マルケス(ds)だった。

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