Tシャツ博物館　第4回

【2020.06.03更新】

文：有島博志

KORNのジョナサン・デイヴィスが提唱し、実践した異種格闘技ツアー、Family Values Tour第1回のTシャツだ。

1998年秋にKORNがヘッドラインに立ち、大物ハードコアラッパー、ICE CUBE、LIMP BIZKIT、RAMMSTEIN、ORGYらが参戦し、全米各地を約2ヵ月にわたり巡演した。後半、ICE CUBEが外れ、INCUBUSに交代した。で、ロサンゼルス、サンフランシスコの2公演観た。このTシャツはそのとき現場で購入したものだ。
90年代のUSミュージックシーンにおいて、異種格闘技ツアーは実に画期的なイベントだった。シーンの動きを強く刺激し、それまでとは違う流れを促進、あまり知られてなかったアーティストを次々と表舞台へと押し上げていった。JANE’S ADDICTIONのペリー・ファレルが提唱し実践したLollapaloozaが一足先をいってたけど、このFamily Values Tourもまた、シーンに大きな影響を及ぼしたと思う。
当時はGrindHouse magazineを立ち上げる前だったため、このFamily Values Tour第1回のリポートをどこかの媒体に掲載した、ということはなかった。よって、各出演アーティストのライヴを観戦しては楽しみ、転換時間には会場内のあちこちを徘徊しては、たくさんの新しい発見をした、というものとなった。
後日、このツアーの模様はダイジェスト的にCD、DVD化された。US盤でのみ少量アナログLPレコードもプレスされ、CD、DVDには未収録の音源1曲が聴けた。