Tシャツ博物館 第5回

【2020.06.10更新】

文:有島博志

Tシャツ、アルバム、シングルのレコード(CD)のジャケなど、その対象がなんであれ、パロディが大好きだ。目のなかに飛び込んでくるたびに即手が伸び、だいたい購入してしまう(笑)。眺めて楽しいし、面白いし、そしてその面白さ、楽しさから“センスのよさ”や“遊び心”が見てとれる。“センスのよさ”や“遊び心”って、多方面においてとても大切な要素だと思う。

まずは、USベテランミクスチャーロック・バンド、311によるコンビニ、セブンイレブンのパロディTシャツだ。いつ、どこでgetしたかはアバウトでしか記憶がないのだけど、おそらく20年近く前のものだ。バンド名をかけた、実にわかりやすいパロディだ。
ただ、当時すでに販売されてなかった。バンドは2001年11月に4度目の来日公演を行ってるのだけど、そのタイミングでの対面インタヴューでニック・ヘクサム(vo,g)は、こう語ってる。
「残念だけど、あのTシャツはもう売ることができないんだ。数年前から出してたもので、けっこう評判がよかったんで作り直して売ってたんだけど、相手(USセブンイレブン社)から発売禁止と言われてさ。いろんな企業のロゴとかをパロってTシャツなどを作るのはスゴく楽しいし、みんなも気に入ってくれてたんで残念だけど、仕方ないよね。ま、逆にその一件が報じられたおかげで、オレたちのバンド名がさらに広まってくれたからよかったよ(笑)」
このときのインタヴュー記事は、2002年1月末日発行のGrindHouse magazine Vol.10に掲載した。

続いては、LIMP BIZKITによるバーガーキングのパロディTシャツだ。デビュー作『THREE DOLLAR BILL, YA’ ALL$』(1997年)発売直後にニューヨークのクラブ(会場名忘れた)でライヴを初めて観たときに、会場内の物販で見つけ購入した。このときのライヴはヘッドラインがDEFTONES、真ん中にLIMP BIZKIT、そしてオープナーがWILL HAVENだった。バックにはバーガーキング社のブランドプロミスであるHave It Our Wayがプリントされてるという細かいこだわりが(笑)。ワッパーバーガーを自分好みにアレンジできるというキャンペーンだ。かつて日本でもやってた。

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