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【2021.02.03更新】

ありしの日のパンク“ン”メタルバンド、AMEN…

Text by Hiro Arishima
Photo by unknown

AMENは好きなバンドのひとつだった。昨年の9月に“ポスター展示館”第9回で紹介してる(https://grindhouse.site/postergallery-vol-9/ )。被り、重複する部分もあるのだけど、改めて読んでもらえば、と思う。
2nd『AMEN』(1999年)からしてカッコよかったし、パンクロックとメタルとハードコア間を頻繁に自由往来する音楽性はそれまでに聴いたこともない独自のものだった。
確か2003年中盤か、後半のいつかだったと記憶する。別のアーティストの取材でロンドン出張にいった際、中規模な会場で有名だったロンドン・アストリア(2009年1月に閉店)でAMENのライヴがあることを知り、問答無用的に観にいった。当時、3rd『WE HAVE COME FOR YOUR PARENTS』(2000年)発売以降、バンドの動向が報じられることがあまりなかったのでなおさらだった。

ライヴは変わらず、荒々しいの極みだった。ケイシー・ケイオス(vo)のあっちこっち噛みつくアティテュード剥き出しで、首尾一貫攻めて攻めて攻めまくってた。ほぼ満杯だった場内(2,000人弱収容)の盛り上がりも相当なものだった。
このときのUKツアーの各会場の物販で、『JOIN, OR DIE』が販売されてた。

JOIN, OR DIE

ケイシーが立ち上げた自主レーベル、Refuse Musicからの第1弾だった。2,000枚限定で(後に2,000枚追加プレス)、一般流通には乗せられてない。購入できてラッキーだったのだけど、内容はそれまでのシングルBサイド提供曲や、未発表曲計17曲で構成されてる。
自分としてはAMENはめちゃくちゃカッコいいバンドだけど、その一方でなかなか活動を軌道に乗せられてないというイメージが強い。数年間活動休止をしてたけど、バンドは今も存在するようだ。
なぜ、活動が軌道に乗らないのか。正直なところ、真相はわからない。ワンショット契約だったと言われてしまえばそれまでだけど、過去残した4枚のオリジナルアルバムはすべて作品ごとに発売したレーベルが異なる。そして、メンバーが流動的でコロッコロ代わり布陣が常に不安定だ。元SNOTのソニー・メイヨ(g)、元GODSMACKのシャノン・ラーキン(ds)も一時布陣に顔を並べてたことがある。また、元SLAYERのデイヴ・ロンバード(ds)は時折セッション参加してるようだ。
誰がなんと言おうと、AMEN=ケイシーだ。バンドのすべてがケイシーの双肩にかかってる。彼には過去数回会ってるけどフランクな感じの人だ。だけど、その一方でライヴのときのMCで「『AMEN』は絶対に買うな!」と自らの作品の不買を叫びまくるといった一面もある。“異端児”であることに変わりはなさそうだ。
AMENを未聴だという人には一度耳を傾けてほしい。

『HERE’S THE POISON』はライヴ盤で、一番近い時期に出た作品だ。初期2作が特に好きだ。またぜひ、活動をコンスタントに行い、あの荒々しいライヴを見せてほしいものだ。

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